WADA 情報調査部門:「Speak Up!」で内部告発をしやすくする環境づくり

WADA Intelligence and Investigations – Helping whistleblowers to ‘Speak Up!’

内容概略

WADAの活動を共有する「Spotlight」の今月のトピックは、WADAの情報調査部門がどのようにして提供された情報の守秘義務を守り、責任をもって最も効果ある形で活用するかに焦点をあてる。

2014年にロシアの組織的ドーピングについて告発があったが、当時のWADAの権限では何もできず、ドイツのTV局ARDとつないだ経緯がある。その後2015年版の世界規程でWADAの権限が強化され、ドーピングに関する調査や情報収集の最前線に立つようになった。2017年にはWADAが「Speak Up!」というデジタル・プラットフォームを立ち上げ、アスリートがアンチドーピング規則違反やアンチドーピング機関による違反行為に関する情報を提供しやすくした。WADAの情報調査部門(I&I)のなかでも限られた職員のみがアクセスする権限をもつ「Speak Up!」は、不正行為を明るみに出すのに大変役立っている。2018年には機密情報局(CIU)を設置し、アンチドーピング関連情報の収集、機密情報元の管理の2つを優先事項として扱っている。CIUでは情報源の身元を保護することが長期的な成功に必要不可欠であるとし、情報提供者との協力関係構築に力を入れる。I&Iはさらに拡大する予定で、WADAは先月コンプライアンス調査官を置き署名当事者による違反の調査を専門とする局の設置を発表した。WADAは、情報提供者はCIUにより徹底的に守られ、かつ調査そのものからは切り離されると述べ、情報を提供する前にはCIUからその情報を元に何ができるかを説明し、そのうえで不安を覚えるようであればプロセスを中止できると強調している。