USADA(アメリカ) ロシアのCAS上訴及び裁定に関するUSADA Travis T. Tygart CEOの声明

配信元:USADA(アメリカ)

https://www.usada.org/news/

Statement from USADA CEO Travis T. Tygart on Russia CAS Appeal and Ruling

内容概略

USADAは、WADA及びクリーンなアスリートにとって多大な損害となる壊滅的な裁定をCASが下したことに留意している。

すでに発覚から10年近く経過するロシアの国家的ドーピング問題において、この弱くて骨抜きにされた結果に同情の余地はない。この犯罪に見合うほどの結果をまたしても逃れさせることは、クリーンなアスリート、スポーツのインテグリティ、法治にとって最悪の打撃である。最初の反応はショックをあらわにすることであったが、実際はこのような結果になるのは目に見えていた。WADA及びIOCは、当初からこのロシアによる卑劣な国家的ドーピングを操作し、かつ対処を誤った。そのうえ原則よりも政治的な駆け引きを優先させた。今回の裁定はロシアのIOC委員をあからさまに優遇し、クリーンなアスリートから搾取する悪質な行為の結果追うべき責任から逃れさせている。何年もの間アスリートはWADAに改革を要請し、スポーツ史上最悪のドーピング詐欺を実行したロシアに対して説明責任を果たすよう求めてきた。WADAは新しいリーダー陣をもって変わっていくと約束してはいるものの、本件の調査過程や今回のCASによる結果を鑑みると、アスリートの声を聞かない、ひいてはアスリートはどうでもよいということを明確に示している。本日ロシアは勝利宣言をした。それはすなわちロシアがロシアという国、そして世界スポーツを腐敗させ、世界をだまし、世界的アンチドーピング・システムを欺くその能力を称えたわけだが、彼らはその意味で正しい。