FAQ
(質問をクリック頂くと回答が表示されます。)
国内のアンチ・ドーピング体制について
国内における検査方針は、どのように決めているのでしょうか。
有識者及び、公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会(JPSA)、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)等ステークホルダーの代表者によって構成されているアンチ・ドーピング体制審議委員会での審議を経て決定されます。当委員会での審議を受け、JADAは年間の検査計画を立案し、検査を実施します。
競技種目ごとの検査方針と規模はどのように決めているのでしょうか。
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が定める「検査及び調査に関する国際基準」に準拠し、リスク評価(競技特性、賞金等経済的要因、プロスポーツ等)やパフォーマンス指標(競技団体評価、強化指定選手数、メダル獲得可能性、公的助成の有無、検査対象者登録リスト(RTP/TP)数等、および当該競技における競技レベルに応じた国際動向等について考慮した上で、目標検査数を決定します。
国を代表するレベルのアスリートの検査数はどのような基準で決めているのでしょうか。
過去の国際総合大会出場実績数等に基づき、WADAが定める「検査及び調査に関する国際基準」を満たすために必要な競技会外検査数をアンチ・ドーピング体制審議会が決定しています。検査の対象やタイミングについてはJADAが立案し、実施します。
非オリンピック、非パラリンピック競技への基準は異なるのでしょうか。
国際総合競技大会への派遣選手以外については同様の基準となります。
いわゆるスポーツ先進国と、わが国のアンチ・ドーピング体制に違いはありますか。
イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア等、スポーツ先進国の多くは、国または国の直轄機関がアンチ・ドーピング体制を担っています。一方でアメリカについては、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)がアメリカのアンチ・ドーピング機関にあたるU.S. Anti-Doping Agency(USADA)に委託をするような体制です。
日本はスポーツ振興くじ助成金の活用を前提とし、競技団体等の協力に基づき体制整備を進めています。民間組織である当機構(J-Fairness)が設置したアンチ・ドーピング体制審議会が基本方針を策定、民間組織であるJADAが検査を実施することにより国際基準を遵守するというという体制となっています。
体制審議委員会のメンバーは誰が決めているのでしょうか。
当機構(J-Fairness)の理事会で審議、承認します。
分担金は何に使われるのですか。
加盟団体からいただいた分担金は、
WADAが公開する検査データ(統計資料)などの収集・分析
国際レベルの競技結果およびドーピングに関わるインテリジェンス情報などの収集・分析
国際基準遵守の前提となる基本方針の策定
など、アンチ・ドーピング体制の円滑な運営・維持のために使用します。
ドーピング検査について
世界アンチ・ドーピング規程(WADC)はどのような手続きで改定されているのでしょうか。
JADAのwebサイト内の世界アンチ・ドーピング規程のページをご確認ください。
禁止物質リストはどのような手続きで改定されているのでしょうか。
JADAのwebサイト内の禁止表国際基準のページをご確認ください。
ドーピング検査はどのように実施されているのでしょうか。
JADAのwebサイト内のドーピング検査のページをご確認ください。
検査員はどのような資格背景をもった人達なのでしょうか。
JADAが定める認定資格を取得した方が対応しています。
詳しくはJADAのwebサイト内のドーピング検査員(DCP)に関するページをご確認ください。
分析機関の整備はどのように行っているのでしょうか。
ドーピング検査において採取された検体は、すべて、WADAに認定された分析機関において、分析が行われます。分析機関は、WADAが定めた「分析機関に関する国際基準」に基づいて検体を分析し、その結果を報告します。
日本では、アジアで初めて、また、日本で唯一認定された分析機関として、株式会社LSIメディエンスのアンチ・ドーピングラボラトリーが存在します。
分析機関の維持や整備は、同社とJADAが連携の上行っています。分析機器整備にはスポーツ振興くじ助成金が活用されています。
その他
WADAから日本のスポーツが改善指摘を受けた内容を具体的に教えてください。
2018年にWADAから以下の通り、7つのCritical findingsと4つのHigh Priority findingsが指摘されました。
◆Critical findings
法律内の条項とWADCとの不整合が存在する。
日本国内で発生した外国籍競技者の違反に関する海外の関連機関への通知対応に係る規則の不足。
Risk Assessment(RA)の策定にあたり、スポーツの競技特性と薬物の影響、賞金やプロ団体との連携などの要因が加味されていない。
Test Distribution Plan (TDP)が、ハイリスク競技に適切な加重がなされていない。また競技会検査での血液採取がない。
Registered Testing Pool (RTP)の設定にあたり、Risk Assessment(RA)を踏まえた適正な手順、要件を踏んでいない。
ナショナルトレセンで実施される競技外検査において、ドーピング検査員(DCP) が事前の入館登録を求められている。
Technical Document Sport Specific Analysis(TDSSA )の要件を充足する検査実施がなされていない。
◆High Priority findings
非定型報告(Atypical Findings)が発生し、その後のフォローアップ対応により陰性として差し支えないとの判断となった事例を WADA 及び他の関連組織に通知していない。
TUE 委員会の委員が利益相反申告書を提出していない。
長期保存検体の取り扱いに係る内部ルールを策定していない。
質問票に対する未回答領域が4箇所ある。
このうち、Critical findingsの 1)2)6)7)およびHigh Priorityの4つについてはJADA内部手順の構築、その他関係組織の協力を得て対応、解決に至りましたが、残るCritical findingsの3項目については当時の国内検査体制では改善が困難であり、根本的な国内体制の改革が必須であると判断されました。
そこで2018年11月にアンチ・ドーピング体制審議委員会の開催母体としてJ-Fairnessを設立し、JADAが国内アンチ・ドーピング機関として、客観性・独立性をもって主体的に検査を立案・実施するための体制づくりに着手することになりました。また、2019年7月には厚生労働省よりドーピング検査に用いる検体の採取を目的とした 医療機関外の場所で行う採血の取扱いについての通達がなされ、競技会外検査における血液検査の円滑な実施が可能となりました。
JADAとJ-Fairnessの役割分担について教えてください。
J-Fairnessはアンチ・ドーピング体制審議委員会を開催し、国内のドーピング検査についての基本方針(検査の規模と内容)を決定し、その方針をJADAに伝えます。
JADAはその基本方針に沿って検査計画を立案、実行します。J-FairnessはJADAの検査計画に基づいて日本スポーツ振興センターにtotoくじ助成金の申請をするとともに、年間を通じて検査が基本方針に沿って適切に実行されているかをモニタリングします。
サプリメントは安全なのでしょうか。
サプリメントが原因と言われるアンチ・ドーピングのルール違反が、日本を含め、世界中で報告されています。
詳しくはJADAのwebサイト内のサプリメントのページをご確認ください。
この他の不明点等がございましたら以下までお問い合わせ下さい。
FAQ内の略称に関して
J-Fairness.orgサイト内の略称に関してはクリックで表示される下記ご参照ください。
WADA=世界アンチ・ドーピング機構
WADC=世界アンチ・ドーピング規程
ITA=International Testing Agency
DCP=ドーピング検査に関わる担当者
JSPO=公益財団法人日本スポーツ協会
JOC=公益財団法人日本オリンピック委員会
JPSA=公益財団法人日本パラスポーツ協会
JADA=公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構
J-Fairness=当機構(一般社団法人日本スポーツフェアネス推進機構)